はじめに

夏の暑さが落ち着き、ふっと涼しさを感じる秋。季節の変わり目は、体も心もバランスを崩しやすい時期です。
特に40代のワーママ世代は、仕事や家事に追われ、自分自身のリズムを整えることが難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな時におすすめなのが「ナチュラルヨガ」。自然な呼吸に寄り添いながら、無理なく体を伸ばしていくことで、心身のリセットをサポートしてくれます。
この記事では、40代から始めやすいナチュラルヨガの魅力や、秋にぴったりの実践ルーティンをご紹介します。
ナチュラルヨガとは?40代におすすめの理由
1. ナチュラルヨガの基本
ナチュラルヨガは、難しいポーズや激しい動きよりも、「呼吸」と「自然な姿勢」に重きを置いたヨガのスタイルです。
体に無理をかけず、気持ちよく伸ばしたり、姿勢を整えたりすることを目的としているため、初心者や運動が苦手な方でも取り入れやすいのが特徴です。
2. 40代女性にフィットするポイント

40代になると、基礎代謝の低下や肩こり・腰痛といった不調を感じやすくなります。
ナチュラルヨガは、筋肉や関節に負担をかけずに体を動かせるので、継続しやすいのが魅力。
さらに、呼吸に意識を向けることで気持ちのリフレッシュにもつながり、忙しい毎日の中でも「自分に戻る時間」を持てます。
3. 秋に取り入れるメリット

秋は昼夜の寒暖差や空気の乾燥で、体調やメンタルが揺らぎやすい季節です。
ナチュラルヨガで深く呼吸を整えることは、自律神経をやさしくサポートし、季節の変化に順応しやすい体づくりに役立ちます。
秋におすすめ!心身を整えるナチュラルヨガポーズ
1. 朝に取り入れたい「伸びのポーズ(立位の場合)」
両手を頭上に伸ばし、背筋をスーッと伸ばすシンプルなポーズ。窓を開けて秋の空気を感じながら行うと、心もリフレッシュできます。

- 姿勢を整える
足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。膝は軽く緩めて、足裏全体で床を踏みしめるようにしましょう。 - 両手を上げる
息を吸いながら、手のひらを内側に向けて腕をゆっくりと頭上に持ち上げます。
肘を伸ばして、指先が天井に向かってスーッと伸びていくイメージです。 - 肩と首をリラックス
腕を高く上げても、肩をすくめないよう注意します。肩は下げたまま、首を長く保つのがポイント。 - 全身を伸ばす
指先からかかとまで一本の糸でつながっているように意識して、背骨を縦に心地よく伸ばします。
余裕があれば、かかとを軽く床から浮かせて背伸びするようにすると、さらに全身が伸びて爽快感が増します。 - 呼吸とともに戻す
数呼吸キープしたら、吐く息で腕をゆっくりと下ろしてリラックスします。
<ポイント>
・イメージとしては、「朝起きたときにベッドの上で思いっきり伸びをする」ような感覚です。
・無理にぐいっと伸ばすのではなく、「指先が空に触れるようにやさしく伸ばす」と考えると自然にできます。
2. キャット&カウのポーズ

背中をやさしくほぐし、肩こりや腰のこわばりを解消してくれる代表的なポーズです。家事や在宅ワークの合間にもおすすめ。
- 四つん這いの姿勢をつくる
ヨガマットの上に両手と両膝をつきます。
手は肩の真下、膝は腰の真下に置き、背中を床と平行に保ちましょう。
目線は軽く前方を見ます。 - 息を吸いながら背中を反らす(牛のポーズ)
吸う息で、背中をゆるやかに反らせます。
胸を前に押し出すようにして、視線を少し上に。
このとき、肩は耳から遠ざけ、首の後ろを詰めないようにします。 - 息を吐きながら背中を丸める(猫のポーズ)
吐く息で、背中をゆっくり丸めていきます。
おへそをのぞき込むようにして、首と肩の力を抜きましょう。
お腹を軽く引き込みながら、背中全体を大きく丸めるイメージです。 - 呼吸に合わせて数回繰り返す
吸って背中を反らせ、吐いて丸める。
この動きを3〜5回ほど繰り返すことで、背骨がしなやかに整い、体がポカポカしてきます。
<ポイント>
・呼吸を止めないこと。
・お腹を軽く引き込むと、体幹も自然に使われます。
・「背骨で波を描く」ように、動きをなめらかにしましょう。
3. 夜におすすめ「前屈ポーズ」

体の背面をじんわり伸ばし、心を落ち着かせるポーズです。寝る前のリラックスタイムにもぴったり。
立って行う場合(立位前屈)
- まっすぐ立つ
足を腰幅に開き、背筋を伸ばして立ちます。
膝をロックせず、軽くゆるめておくと安心です。 - 息を吸って背筋を伸ばす
胸を開いて、頭の先までスッと伸びるような意識を持ちます。 - 息を吐きながら上体を前に倒す
腰から折りたたむようにして、背中を丸めずに前屈します。
手は床につかなくてもOK。
肘を軽くつかんで、上体をぶらぶらと左右に揺らしても気持ちよいです。 - そのまま数呼吸キープ
背中・腰・太ももの裏(ハムストリングス)を心地よく伸ばしながら、ゆったり呼吸します。
吐く息ごとに体の力を抜きましょう。 - 息を吸いながらゆっくり起き上がる
背中を丸めながら少しずつ上体を起こします。最後に頭を上げると、ふらつきにくくなります。
座って行う場合(座位前屈)
- 両足を前に伸ばして座る
背筋をまっすぐにして、足のつま先を軽く上に向けます。
膝はピンと伸ばさず、少し曲げても大丈夫です。 - 息を吸って背筋を伸ばす
両腕を上げて、背中をぐっと引き上げるようにします。 - 息を吐きながら上体を前に倒す
腰から前に倒れ、手をすね・足首・つま先など、届くところに置きます。
無理に深く倒れようとせず、「背中が伸びて気持ちいい」と感じるところでキープ。 - 呼吸を深めながらリラックス
数呼吸続けて、背中から脚の裏がじんわり伸びるのを味わいましょう。
最後は息を吸いながらゆっくり上体を戻します。
<ポイント>
・「つま先に届かなくても大丈夫」。無理せず呼吸を優先しましょう。
・前屈は「縮こまる」ポーズではなく、「自分を内側に戻す」ポーズ。心も静かに整います。
・夜行うときは、照明を落として音楽を流すとよりリラックスできます。
40代ワーママに嬉しいヨガの効果
1. 自律神経を整えて、心のバランスが回復
40代はホルモンバランスの変化やストレスで、自律神経が乱れやすくなります。
ナチュラルヨガでは「呼吸」に意識を向けることで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、気持ちが安定していきます。
例えば、忙しい朝に3分でも深呼吸しながらヨガを行うと、「今日も頑張ろう」と前向きなエネルギーが自然に湧いてきます。
2. 血流が促されて、冷えやむくみをケア

肩や背中を動かすポーズを取り入れることで、全身の血流やリンパの流れがスムーズに。
とくに猫のポーズや前屈ポーズは、脚の付け根や背中の筋肉をじんわり刺激し、冷えやむくみの改善にもつながります。
冷えが気になる秋の夜には、温かい飲み物を片手に、軽く体をほぐすだけでもリラックス効果大です。
3. 自分を大切にする時間が生まれる
「誰かのために動く」毎日を送るワーママにとって、ヨガは“自分のための時間”を取り戻すきっかけになります。
10分でもマットに座り、深く呼吸をする―その静かな時間が、心に余裕を取り戻してくれます。
秋の心身リセットルーティンのつくり方
秋は、夏の疲れが出やすく、気温の変化で体調が揺らぎやすい季節。
そんなときこそ、自分のリズムを整える“1日ルーティン”をつくることで、心と体のバランスを取り戻すことができます。
ナチュラルヨガを中心に、朝・昼・夜それぞれの時間帯でリセットのスイッチを入れるのがポイントです。
朝:光と呼吸で「体内時計」をリセット
朝のヨガは、体をゆるやかに目覚めさせる時間。
カーテンを開けて朝の光を浴びながら、深呼吸をして体のスイッチを入れましょう。
おすすめルーティン(約5分)
- 深呼吸を3回 — 息を吸って、ゆっくり吐き出す。呼吸のリズムを整える。
- 伸びのポーズ — 両手を天井に向かって伸ばし、体側を心地よく引き伸ばす。
- 軽いねじりポーズ — 座ったまま上半身を左右にゆっくりねじり、内臓を刺激。
- 首・肩回し — こりやすい肩まわりをほぐして血流をアップ。
朝の光と深呼吸は「体内時計」を整える効果もあり、自然と代謝や集中力が高まります。
この時間にお気に入りの香り(柑橘系アロマなど)を取り入れると、さらにリフレッシュ効果が高まります。
昼:短時間でリフレッシュする「3分ヨガ」
仕事や家事の合間にちょっと一息つくタイミングで、椅子に座った状態で行う猫のポーズを中心とした「デスクヨガ」がおすすめです。
凝り固まった背中や腰をゆるめることで、頭がすっきりと冴え、午後のパフォーマンスも上がります。
おすすめルーティン(約3分)
- 椅子に浅く腰かけ、背筋を伸ばします。
- 息を吸いながら胸を開き、軽く背中を反らせます(吸う動作で前を向く)。
- 息を吐きながら背中を丸め、手を前に伸ばします(吐く動作で猫のポーズ)。
- これを3〜5回繰り返しましょう。
このポーズは、背骨を柔軟にして自律神経を整える効果があり、心身の緊張をリセットするのにぴったり。
仕事中でも目立たず行えるため、「ながらヨガ」として取り入れやすいのも魅力です。
夜:香りと前屈で「一日の疲れ」をリリース
1日を締めくくる夜のヨガは、頑張った自分をいたわる時間。
照明を少し落とし、アロマを焚きながら、静かに呼吸を整えていきます。
おすすめルーティン(約10分)
- 前屈ポーズ(立位でも座位でもOK)
息を吐きながら上半身を前に倒し、背中から首まで脱力。
手はすね・足首・床など、届くところで構いません。
「力を抜く」ことを意識して、3〜5呼吸キープ。 - 仰向けのリラックスポーズ
マットに寝転がり、手足を少し広げて全身をゆだねます。
目を閉じて深く呼吸しながら、「今日も一日頑張った自分」に感謝を。 - アロマ呼吸
ラベンダーやゼラニウムなどのリラックス系アロマを使うと、心が穏やかに。
この夜ヨガを習慣にすると、自然と副交感神経が優位になり、眠りの質も向上します。
眠る前のスマホ時間を“ヨガ時間”に置き換えるだけで、翌朝の目覚めが変わりますよ。
1日を通して意識したいポイント
- 朝は「呼吸を整える」
- 昼は「姿勢を戻す」
- 夜は「力を抜く」
この3つのバランスを意識することで、体と心が1日の中で自然にリズムを取り戻します。
秋は「ゆるめる・整える・深める」の3ステップで、夏の疲れを癒しながら冬への準備を始めましょう。

ナチュラルヨガを続けるコツ
「ヨガをやってみたい」と思っても、忙しい日常の中で続けるのは難しいもの。
でも、ヨガは“頑張らなくても続けられる”習慣です。ポイントは、「特別な時間」ではなく「日常の一部」にすること。
1. 完璧を目指さない
「今日は10分しかできなかった」「ポーズがうまく取れなかった」と落ち込む必要はありません。
ヨガは“結果”ではなく“過程”を楽しむもの。
たとえ1ポーズだけでも、呼吸を感じて体をほぐせたら、それで十分です。
「続けること」そのものが、心と体に一番のご褒美になります。
2. 朝・昼・夜、どこか1回だけでもOK

最初から「毎日30分」と決めるとハードルが高くなりがち。まずは“1日のどこか1回”で構いません。
例えば…
- 朝:伸びのポーズでスイッチオン
- 昼:猫のポーズでリフレッシュ
- 夜:前屈でリラックス
この中から1回というように、生活のリズムに合わせて短い時間から始めるのがおすすめです。
3. “お気に入りアイテム”を味方にする
モチベーションを上げるために、お気に入りのヨガマットやアロマを取り入れるのも◎。
ナチュラル素材のマットは足裏の感覚を感じやすく、心も落ち着きます。
また、季節の香り(例えば秋はヒノキやベルガモット)を使うと、気持ちを自然と切り替えやすくなります。
“お気に入り”があると、ヨガの時間が「やらなきゃ」ではなく「やりたい」に変わります。
4. 家族を巻き込んでみる
お子さんと一緒に「猫のポーズごっこ」をしたり、ご主人と一緒に「前屈ストレッチ」をしたり。
家族で楽しむことで、笑顔が増え、自然とヨガが続くようになります。
ヨガを通して家族のコミュニケーションが深まるのも、ワーママにとって嬉しいポイントです。
5. 「今日は何もしない日」も大切に
疲れていたら、何もせず横になるだけでもOK。その“休む時間”もまた、ヨガの一部です。
「何もしていない自分」も受け入れて、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。
心と体の声を聞く―それが、ナチュラルヨガの本当の目的なのです。
まとめ
40代の秋は、心身ともにリズムを整えたい季節。ナチュラルヨガは、難しいポーズに挑戦する必要もなく、自分の体に寄り添うように無理なく続けられるのが魅力です。
朝の目覚めに、昼のリフレッシュに、夜のリラックスにと、一日のリズムに組み込むことで、仕事や家事に追われながらも、自分を取り戻すひとときが生まれます。
深い呼吸とやさしい動きが、心と体をじんわり満たしてくれるヨガ習慣。この秋こそ、自分へのご褒美として始めてみてはいかがでしょうか。


