はじめに
秋が深まり、街路樹が色づく11月。
仕事や家事、育児に追われる毎日でも、ふと手を止めて「自分の時間を大切にしたい」と感じる瞬間はありませんか?
そんな時にぴったりなのが“読書”。
ページをめくるたびに、心が静まり、頭の中が整理されていくような感覚—。
ほんの10分でも、文字の世界に浸ることで、心がスーッと軽くなることがあります。
今回は、**40代の働くママにおすすめしたい「心を整える本」**をテーマに、日々の疲れを癒し、前向きな気持ちを取り戻せる一冊をご紹介します。
秋の夜長に、お気に入りのドリンクを片手にゆったりと“読書時間”を楽しんでみませんか?
忙しい日常に「小さな余白」をくれるエッセイ本
「忙しくても、心は置き去りにしない」ために
家事に育児、仕事に人間関係—気づけば、自分の時間は後回し。
そんな日々の中で、ほっと息をつかせてくれるのがエッセイの魅力です。
エッセイは、物語のように登場人物の感情を追うわけではなく、日常の出来事や気づきを、著者の言葉を通して“自分の感情”として感じ取れるのが特徴。
読みながら「そうそう、私もそう思ってた」と共感したり、「こんな考え方もあるんだ」と新しい視点に出会えたりします。
おすすめの一冊:「小さな幸せに気づく、心の整え方」(著:伊藤まさこ)
シンプルで丁寧な暮らしをテーマにしている伊藤まさこさんのエッセイは、読み進めるうちに、暮らしの中の“やさしいリズム”を思い出させてくれます。
たとえば「好きなマグカップでお茶を飲む」「季節の花を一輪飾る」…
そんな小さなことでも、心の余裕を生むきっかけになるのだと感じられる内容です。
ポイント:
- 忙しい日々に疲れたとき、ふと読みたくなる短編構成
- 写真も多く、読みやすいデザイン
- “完璧じゃなくてもいい”というメッセージが優しく響く
心を前向きにする“自己肯定感”を育てる本
「できていない自分」を責めすぎていませんか?
ワーママの多くが抱える悩みのひとつに、「どれも中途半端に感じる」という思いがあります。
仕事も家庭も一生懸命なのに、つい“できていない部分”ばかりに目が向いてしまう—。
そんなときに読んでほしいのが、自己肯定感をそっと高めてくれるような一冊。
読むだけで、肩の力が抜けて「これでいいんだ」と思えるようになります。
おすすめの一冊:「自分をいたわる練習」(著:中村美鈴)
この本では、「他人のためのがんばり」ではなく「自分のためのやさしさ」をテーマにしています。
印象的なのは、“自分を大切に扱うことは、周りを大切にすることと同じ”という言葉。
読んでいるうちに、自分に対してももっと優しくなっていいんだ、と気づかされます。
こんな方におすすめ:
- いつも頑張りすぎてしまう
- つい他人と比べて落ち込む
- 自分に自信を持てない
読書後のおすすめアクション
読み終えた後は、夜のリラックスタイムに「今日できたこと」を3つ書き出してみましょう。
どんなに小さなことでも、“自分を認める”ことが心の安定につながります。
物語の中で“心を旅する”癒しの小説
本の世界に没頭することで、日常の疲れがリセットされる
小説を読む時間は、まるで静かな温泉に浸かるような感覚。
現実の忙しさから少し離れて、別の世界を体験できることで、心に余裕が戻ってくるのです。
おすすめの一冊:「ツバキ文具店」(著:小川糸)
鎌倉を舞台に、手紙代筆業を営む女性の物語。
人と人とのつながり、言葉の温もり、そして生き方の選択…
どのページにも、やさしい想いがつまっています。
読後には、静かな感動とともに「私も誰かに手紙を書いてみようかな」と思えるような、心温まる一冊です。
読書のポイント:
- 1章ごとが短く、寝る前の10分読書にもぴったり
- 風景描写が美しく、心が落ち着く
- 登場人物の会話に“人生のヒント”が散りばめられている
もう一冊おすすめ:「そして、バトンは渡された」(著:瀬尾まいこ)
家族の形や愛の形について考えさせられる作品。
読後の余韻がやさしく、涙と笑顔の両方をくれる“癒しの物語”です。
ママの「知的好奇心」を満たす本
学び直しや、自分時間をもっと楽しみたいあなたへ
40代になると、子育ても少し落ち着き、“もう一度学びたい”という気持ちが芽生える方も多いはず。
そんな時は、堅苦しくない「知的な読み物」を選んでみましょう。
おすすめの一冊:「美しいものを見に行くツアーひとり参加」(著:益田ミリ)
旅エッセイと哲学がやさしく混ざり合ったような一冊。
ひとり旅の風景を通じて、「自分のペースで生きることの大切さ」を教えてくれます。
“人と違っていい”“正解のない生き方を楽しむ”という視点が、ママたちの心を軽くしてくれます。
プチ読書習慣のすすめ
読書は「完読すること」だけが目的ではありません。
・寝る前の10分だけ読む
・お気に入りのしおりを使う
・読んだページに小さくメモを書く
そんな小さな習慣でも、“自分の時間を持っている”という実感が心の栄養になります。
11月の読書をもっと楽しむためのアイデア
香りと一緒に楽しむ「癒しの読書時間」
11月は気温が下がり、部屋の中で過ごす時間が増える季節。
そんな夜におすすめなのが、“香り×読書”のリラックスタイムです。
香りには、気分を整えたり、集中力を高めたりする効果があります。
お気に入りの本と一緒にアロマやハーブティーを取り入れることで、まるで“自分の小さなカフェ”にいるような、穏やかな気持ちになれます。
おすすめの香りとジャンルの組み合わせは次の通りです。
- ラベンダー × ヒューマンドラマ系小説
→ 一日の疲れを癒し、登場人物の感情に優しく寄り添える。 - ベルガモット × エッセイや自己啓発本
→ 前向きで爽やかな香りが、心に新しい風を吹き込んでくれる。 - カモミール × 癒し系ストーリーや絵本
→ 心が温まり、眠る前の読書にもぴったり。
香りを取り入れる際は、アロマディフューザーやキャンドルでもいいですし、お気に入りのマグに温かいハーブティーを注ぐだけでも◎。
香りと本の世界をリンクさせると、記憶にも残る特別な時間になります。
お気に入りの“読書スポット”を見つけよう
同じ本でも、「読む場所」が違うだけで、感じ方は驚くほど変わります。
たとえば、
- 朝日が差し込むダイニングの窓際で、コーヒーを片手に読む
- 夕暮れ時、リビングのソファでブランケットに包まりながら読む
- 休日の午前中、ベランダや庭で外の風を感じながら読む
どのシーンにも、心地よい静けさと“自分の時間”が流れています。
読書は特別な空間をつくらなくても、少しの工夫でぐっと豊かになるもの。
また、読書灯の光を暖色系にすると、目が疲れにくく、リラックス効果もアップします。
“心地よい光・香り・姿勢”をセットにして、自分だけの“読書リチュアル(読書儀式)”を見つけてみましょう。
“読書ノート”で小さな記録を残す
せっかく出会った本は、読みっぱなしにせず“自分の中に残す”のもおすすめです。
ノートや手帳に、
- 印象に残った言葉
- 登場人物のセリフ
- 読んで感じたことや気づき
を、ほんの数行でも書き留めておくと、その本が自分の一部になっていく感覚があります。
たとえば、「このフレーズに救われた」「この言葉を心に留めたい」など、短くても自分の感情を言葉にすることで、日常に前向きなエネルギーを与えてくれます。
また、読書ノートを続けると、“自分の心の変化”も見えてきます。
「去年はこの本に惹かれたけど、今はこっちが響く」—そんな気づきも、忙しいママにとって大切な“心の成長記録”になるでしょう。
家族とシェアする“読書の時間”も素敵
読書は一人で楽しむ時間でもありますが、家族と共有すると、また違った温かさが生まれます。
子どもと一緒に絵本を読む、夫婦で同じ本を読んで感想を話す、あるいは家族で“読書タイム”を決めて、それぞれ好きな本を読む。
そんな小さな習慣が、家庭に穏やかな時間をもたらしてくれます。
家族の会話が自然と増え、「最近どんな本を読んだの?」と語り合えるようになるかもしれません。
“読むこと”を通して心を整える時間は、自分だけでなく、家族全体の癒しにもつながります。
まとめ:ほんの数ページでも、心は整う
忙しい日々の中で、自分を後回しにしてしまいがちなママたちへ。
読書の時間は、自分の心をいたわるための小さなご褒美です。
洗い物を終えたあと、寝る前の10分、通勤電車の中…
わずかな時間でも、本を開くだけで世界が変わります。
文字を追ううちに、心が落ち着き、思考が整理され、「また明日も頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてくる。
それこそが、読書がもたらす“心のリセット効果”です。
また、本の中で出会う言葉は、ママたちの背中をそっと押してくれます。
「完璧じゃなくてもいい」「少し休んでもいい」「あなたのペースで大丈夫」…
そんなメッセージが心の奥に響く瞬間、きっと優しい気持ちに包まれるはずです。
11月は、空気が冷たく澄んで、読書には最高の季節。
お気に入りのブランケットにくるまりながら、香りや音楽、あたたかい飲み物とともに、ゆっくりページをめくってみてください。
たった数ページでも、心は整い、日々の疲れがふっと軽くなる。
その瞬間こそ、慌ただしい毎日の中に生まれる“最高のリラックスタイム”です。
🌙 おわりに
この秋、あなたの心に寄り添う一冊が見つかりますように。
そして、ページの向こうに広がる小さな世界が、あなたの毎日をほんの少し優しく照らしてくれますように。


