はじめに
冬の朝、布団から出るのがつらく感じたり、手足の先が冷たくて眠りが浅くなったり…。そんな冷えの悩みを感じる女性は多いですよね。特に40代の働く女性は、仕事や家事、育児などで忙しく、自分の体を後回しにしがち。でも、冷えは放置すると、疲労の蓄積やホルモンバランスの乱れにつながることもあります。
そんなときこそ、体の内側からじっくり温める「温活」の出番です。この記事では、体温を自然に上げてくれる冬の温活食材と、その効果を最大限に引き出す食べ方のコツをご紹介します。寒さに負けない、芯からあたたかい体をつくりましょう。
冷えを防ぐには「内側からの温め」がカギ
体温が下がると、心と体にどんな変化が起きるの?
体温が1℃下がるだけで、免疫力が約30%も低下すると言われています。血行が悪くなることで、肩こりやむくみ、月経不順、さらには疲労感や集中力の低下まで引き起こしてしまうのです。特に女性は筋肉量が少ないため、冷えの影響を受けやすい体質。外の寒さだけでなく、ストレスや睡眠不足なども冷えを悪化させる原因になります。
温活で「基礎体温」を底上げし、冷えにくい体をつくる
温活の基本は、「一時的に温める」よりも「体の中で熱を生み出せる体質」を目指すこと。体の芯から温めるためには、食事で血流を促し、筋肉を維持することが欠かせません。基礎体温が上がることで代謝もアップし、免疫力や肌の血色も良くなります。つまり、温活は美容と健康の両方にうれしい習慣なのです。
食事で体温を上げることで、血流が良くなり、代謝や免疫力も自然とアップします。
冬の体をポカポカに!おすすめ温活食材
根菜類(しょうが・ごぼう・にんじん・れんこん)
冬に旬を迎える根菜類は、体を内側から温める代表的な食材。地中でじっくり育つため、体のエネルギーを底から支えてくれる「陽性食品」です。
とくにしょうがには、血流を促す「ジンゲロール」や「ショウガオール」が含まれており、冷え性対策にぴったり。
おすすめの食べ方:
- しょうがはすりおろしよりも「加熱」して使うと温め効果がアップ。
- ごぼうやにんじんは汁物や煮物で“温めながら”食べるのが◎。
発酵食品(味噌・納豆・キムチ)
腸の働きを整えてくれる発酵食品も、実は温活に効果的です。腸内環境が整うと、代謝が上がり、血流もスムーズに。さらに、体温を維持するエネルギーのめぐりが良くなります。
おすすめの食べ方:
- 朝は温かい味噌汁で一日の代謝をスタート。
- 納豆にしょうがやキムチを加える“温活トッピング”もおすすめです。
たんぱく質(鶏肉・卵・魚)
筋肉は熱を生み出す「発熱器官」のようなもの。たんぱく質をしっかり摂ることで、体の保温力が高まります。特に鶏肉や卵、魚は消化が良く、冷えが気になる人にもおすすめです。サバや鮭などの脂の多い魚には、血流を良くするオメガ3脂肪酸も含まれており、代謝をサポートします。スープや鍋に入れて、温かくいただきましょう。
おすすめの食べ方:
- 鶏むね肉を生姜と一緒に煮込んだスープ。
- サバや鮭など、脂質の多い魚も代謝を助けてくれます。
たんぱく質+発酵食品の温めレシピ
レシピ①:鶏肉と根菜の味噌生姜スープ
●発酵食品:味噌
材料(4人分)
- 鶏もも肉:2枚(約400g)
- 大根:1/3本
- にんじん:1本
- ごぼう:1/2本
- 長ねぎ:1本
- 生姜(すりおろし):小さじ2
- だし汁:800ml
- 味噌:大さじ3〜4
- ごま油:小さじ1
作り方
- 鶏もも肉は一口大に切り、大根・にんじんは半月切り、ごぼうは斜め薄切り、ねぎは斜め切りにします。
- 鍋にごま油を熱し、鶏肉を炒めて表面に焼き色をつけます。
- 根菜を加えて軽く炒め、だし汁を注ぎます。アクを取りながら約15分煮込みます。
- 火を止めてから味噌を溶き入れ、すりおろし生姜を加えます。
- 器に盛り、仕上げに刻みねぎを散らして完成。
ポイント:
味噌は沸騰させずに仕上げることで、風味と酵母の力がしっかり残ります。生姜の温め効果で、体がぽかぽかに。
レシピ②:ふんわり卵と納豆のあんかけ炒め
●発酵食品:納豆・醤油
材料(4人分)
- 卵:6個
- 納豆:2パック
- 玉ねぎ:1/2個
- 小松菜:1/2束
- 鶏ガラスープ:200ml
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ1
- 片栗粉:小さじ2(水大さじ2で溶く)
- ごま油:小さじ1
作り方
- 玉ねぎは薄切り、小松菜はざく切りにします。
- フライパンにごま油を熱し、玉ねぎと小松菜を炒めます。
- 納豆を加えて全体を混ぜ、鶏ガラスープ・醤油・みりんを加えて軽く煮立てます。
- 水溶き片栗粉を加え、とろみをつけます。
- 別のボウルで溶いた卵を加えて半熟状に混ぜ、ふんわり仕上げます。
ポイント:
納豆の発酵風味と卵のやさしい口当たりが相性抜群。あんかけにすることで体が温まり、満足感のある一品に。
レシピ③:鮭の塩麹レモン蒸し
●発酵食品:塩麹
材料(4人分)
- 生鮭(切り身):4切れ
- 塩麹:大さじ3
- レモン(輪切り):1個分
- エリンギ:2本
- ブロッコリー:1/2株
- オリーブオイル:大さじ1
- 黒こしょう:少々
作り方
- 鮭に塩麹をまんべんなく塗り、冷蔵庫で30分ほど置きます。
- エリンギは縦薄切り、ブロッコリーは小房に分けて軽く下茹でします。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、鮭を皮目から焼いて軽く焼き色をつけます。
- 野菜とレモンの輪切りをのせ、ふたをして弱火で5〜6分蒸し焼きにします。
- 火を止めて黒こしょうをふり、器に盛りつけて完成。
ポイント:
塩麹の発酵力で鮭がしっとり柔らかに仕上がり、旨みがぐっとアップ。レモンの酸味がアクセントになり、後味さっぱり。
温活効果を高める調理のコツ
冷えを防ぐなら「生」より「加熱」が基本!温野菜で内側からポカポカ
生野菜のサラダはビタミン豊富ですが、冬に食べると体を冷やしてしまうことも。そんなときは、蒸したり茹でたりした温野菜に変えるのがおすすめです。加熱することで野菜の甘みが増し、消化にもやさしくなります。特にブロッコリーやかぼちゃ、れんこんなどは加熱しても栄養が残りやすく、温活にぴったりです。オリーブオイルや味噌ドレッシングでいただけば、血行促進効果もプラス。
スパイスの力で血流を促進!香りを楽しみながら温まる工夫を
シナモン、黒こしょう、クミン、ターメリックなどのスパイスには、血行を良くし、体を内側から温める働きがあります。特にシナモンは冷え性の女性に人気のスパイス。紅茶にひとふりするだけで香りも豊かになり、体がじんわり温まります。カレーやスープに加えれば、風味も深まり満足感もアップ。日々の料理に少しずつ取り入れてみましょう。
発酵調味料を使って“温め腸活”を両立させよう
味噌や醤油、みりんなどの発酵調味料は、腸内の善玉菌を増やし、冷えにくい体づくりをサポートします。煮込み料理に使うと、発酵のうま味がじっくりしみ込み、体の芯まで温まります。たとえば、味噌仕立ての鍋や甘酒みりんの照り焼きなどは、冬にぴったりの温活レシピ。調味料を“発酵系”に切り替えるだけで、温活の効果がぐんと高まります。
一日の食事でつくる「温活リズム」
朝:温かい汁もので一日の代謝スイッチを入れる
朝は体温が最も低い時間帯。そんなときこそ、温かい味噌汁やスープで一日のエネルギーをチャージしましょう。根菜や豆腐、わかめなどを具材にすれば、栄養バランスも抜群。さらに、しょうがを少し加えると代謝がより活発になります。朝の「一杯の温かい汁もの」が、その日一日の体温を底上げしてくれます。
昼:たんぱく質と温野菜で冷えにくい体をキープ
仕事中は冷暖房の影響で体が冷えがち。お昼は温かいスープや煮込み料理を意識して選びましょう。鶏の生姜焼きや豆腐入りハンバーグなど、たんぱく質をメインに温野菜を添えると理想的です。外食でも、できるだけ「温かい」「汁気のある」メニューを選ぶのがコツです。
夜:一日の疲れを癒す“鍋料理”で芯から温まる
夜は、体の冷えをリセットする絶好のタイミング。鍋料理なら、根菜・肉・魚・豆腐などをバランスよく摂れます。味噌やしょうがを加えると風味も増し、体の芯までポカポカに。食後にホットルイボスティーやジンジャーレモンティーを飲めば、リラックス効果も得られて眠りの質も向上します。
手軽にできる“プラス温活”習慣
朝一杯の白湯で、体のスイッチをやさしくオンに
朝起きたらまず、コップ一杯の白湯をゆっくり飲みましょう。50℃前後のぬるめの白湯は、内臓をじんわり温め、血流を促します。冷えやすい人は、白湯に少ししょうがやはちみつを加えるのもおすすめです。胃腸の動きが整い、一日を快調にスタートできます。
よく噛むことで体も温まる!「ゆっくり食べる」を習慣に
忙しいとつい早食いになりがちですが、よく噛むことで唾液が分泌され、消化がスムーズに。顔や首の筋肉を使うことで血流が促進され、体温アップにもつながります。温活の第一歩は、“ゆっくり丁寧に食べる”こと。心にも余裕が生まれ、ストレス冷えの予防にもなります。
夜のリラックスタイムに温かい飲み物をプラス
寝る前に、ハーブティーや黒豆茶、ルイボスティーなどのノンカフェインドリンクを飲むのもおすすめ。これらの飲み物は体を冷やさず、気持ちを落ち着かせてくれます。湯気の香りを楽しみながら、心と体をほっと解きほぐす時間をつくりましょう。
まとめ
冬の冷え対策は、厚着やカイロだけでは不十分。食事で体の内側から温めることが、何より大切です。根菜類や発酵食品、スパイス、たんぱく質を上手に組み合わせて、代謝を高める「温活ごはん」を意識してみましょう。
体温が1℃上がると、免疫力も代謝もぐっとアップ。忙しい毎日でも、温かい食卓を通して自分の体をいたわる時間を持てば、寒い冬も元気に乗り切れます。
今日から少しずつ“温め習慣”を始めて、冷え知らずの冬を過ごしましょう。


