はじめに
秋といえば、実りの季節。食卓に並ぶ野菜や果物、お米や魚など、まさに「旬」の食材が豊富に出回りますよね。スーパーに行くと、色とりどりの秋の食材にワクワクする方も多いのではないでしょうか。
そんな秋は、子どもたちに「食の大切さ」を伝える絶好のチャンスです。近年注目されている「食育」は、難しいことではなく、家庭のちょっとした工夫で気軽に取り入れられるもの。特に秋の恵みを通して学ぶことで、旬を感じ、食材への感謝の気持ちも自然と育ちます。
今回は、忙しいワーママでも無理なく取り入れられる「秋の食育レッスン」をご紹介します。お子さんと一緒に楽しみながら、家族で心も体も満たされる時間を過ごしてみませんか?
秋は“食育”にぴったりの季節
1:旬の食材が豊富で選びやすい
秋は、さつまいも、かぼちゃ、きのこ、栗、ぶどう、梨、さんまなど、栄養価が高くて美味しい食材がたくさん出回ります。スーパーに並ぶ旬の食材を「今日は秋らしいものを探してみよう!」と声をかけるだけでも、食材に興味を持つきっかけになります。
また、旬の食材は値段も手ごろで味も濃く、子どもたちが「美味しい!」と感じやすいのも魅力。自然と食への好奇心や楽しみが生まれやすい季節といえます。
2:行事と結びつけやすい
秋には「十五夜のお月見」や「収穫祭」など、食にまつわる行事も多くあります。例えばお月見団子を一緒に作ったり、新米でおにぎりを握ったりすることで、「どうしてこの時期に食べるのかな?」という会話が自然に広がります。
行事を通じて季節の意味や日本の文化を学べるのも、秋の食育の大きな魅力です。
3:五感で楽しめる体験が多い
秋は視覚、嗅覚、味覚をフルに使って楽しめる季節。焼き芋の香りや、きのこの風味、果物の甘みなど、子どもが食材を通じて五感を刺激できる体験がたくさんあります。食材に触れる、切る音を聞く、香りをかぐ、味わう……これらすべてが「食育」につながります。
家庭でできる“秋の食育レッスン”アイデア
1:スーパーで“旬探しゲーム”
普段の買い物をちょっと工夫して「旬の食材を探すゲーム」に変えてみましょう。店頭に並んだ野菜や果物を見ながら「これは夏?秋?」「どこで採れるのかな?」と親子で話すだけでも、子どもは食材に興味を持つようになります。
「旬マーク」をつけた手作りカードを用意して、子どもに旬のものを選んでもらうのも楽しいですよ。
2:一緒に料理する“プチお手伝い”
忙しい平日でも、ほんの少しの工程を子どもにお願いしてみましょう。さつまいもの皮をむく、きのこを手で割く、ぶどうを洗う……ちょっとした作業を任せるだけで、「自分が作った」という誇らしい気持ちになります。
完成した料理を食卓に並べたとき、「この部分は私がやったんだよ!」と子どもが自慢げに話す姿は、ママにとっても嬉しい瞬間です。
3:絵本や図鑑で“食材の物語”を知る
旬の食材にまつわる絵本や図鑑を読み聞かせるのもおすすめです。たとえば「おいもができるまで」「きのこの絵本」など、子どもの視点で分かりやすく描かれた絵本はたくさんあります。
料理の前に読み聞かせをすれば、「この野菜はこんな風に育つんだ」と想像力がふくらみ、食べ物に対する感謝の気持ちが自然と芽生えます。
4:秋のお弁当で“色とりどり”を体験
お弁当箱に秋の食材を彩り豊かに詰めると、子どもにとっても目で楽しめる食育になります。かぼちゃの黄色、紫芋の紫など、自然の色合いを学ぶことは「食べる楽しさ」にもつながります。
「今日のお弁当は秋色だね」と声をかけることで、会話の中でも季節を意識できるでしょう。
感謝の気持ちを育む工夫
1:食材を「いただきます」でつなげる
「いただきます」の意味を子どもに伝えることは、食育の基本です。「この魚をとった人がいる」「お米を育てた農家さんがいる」など、食卓までの背景を話すことで、自然と感謝の気持ちが芽生えます。
特に秋は「収穫」という実感が強い季節。お米や野菜の話を交えて伝えると、子どももイメージしやすくなります。
2:食べ残しを減らす習慣づけ
「美味しい旬の食材だからこそ、最後まで食べようね」と声をかけるだけで、食べ残しを減らす意識につながります。子どもが自分で手伝った料理なら、なおさら「残したくない」と思えるはず。
感謝とともに「無駄にしない」という姿勢も、家庭でできる大切な食育です。
3:季節の行事を通じて感謝を共有
「お月見では自然への感謝や実りを祝う」など、季節行事に込められた意味を伝えると、家族で感謝を共有する時間になります。行事を一緒に楽しむことが、心の豊かさを育むきっかけになるでしょう。
忙しいワーママでも続けられる工夫
1:無理をせず“ちょっとだけ”を意識
食育というと「特別なことをしなきゃ」と思いがちですが、実は日常の中の小さな工夫で十分です。買い物や料理、食事中の会話など、毎日の中で自然に取り入れることを意識しましょう。
2:週末に“まとめて体験”する
平日は時間が取れなくても、週末に「秋の食材を使った一品を作る日」と決めてしまえば続けやすいものです。子どもも「今週は何を作ろうかな?」と楽しみにしてくれるでしょう。
3:ママ自身も“旬を楽しむ”ことから
何より大切なのは、ママ自身が「秋の食材って美味しいね」と楽しむこと。その姿を見て、子どもは自然と食材に興味を持ちます。親子で一緒に季節を味わう時間は、食育以上に大切な思い出になります。
まとめ
秋は、食材の恵みが豊かで、子どもにとって食の楽しさや大切さを学ぶ最高の季節です。スーパーでの旬探しゲーム、料理のお手伝い、絵本での学び、行事を通じた感謝の共有など、家庭でできることはたくさんあります。
食育は「特別な教育」ではなく、日常の食卓から始められるもの。ちょっとした工夫を通して、子どもたちが食材を大切に思い、感謝の気持ちを持てるようになれば、それはかけがえのない宝物になるでしょう。
忙しいワーママでも、秋の旬を味方にすれば、無理なく続けられる“食育レッスン”。今年の秋は、家族で「旬を学び、感謝を育む」時間をぜひ楽しんでみてください。

