はじめに
秋になると、スーパーや果物屋さんの店頭には、色とりどりの旬のフルーツが並びます。
りんご、梨、ぶどう、柿、いちじくなど、見ているだけで心が満たされるような季節ですよね。
旬のフルーツはそのまま食べてももちろん美味しいですが、ちょっと手を加えて「ジャム」や「コンポート」にすると、また違った味わいを楽しめます。
特にジャム作りは、火を使う工程も多く、親子で協力しながら作るのにぴったり。
果物を洗ったり、皮をむいたり、混ぜたりと、お子さんができる簡単なお手伝いも多く、食育にもつながります。
完成したジャムをパンに塗ったり、ヨーグルトに添えたりすれば、手作りの喜びがさらに広がるでしょう。
今回は「秋の旬フルーツ」を使ったジャムやコンポートのレシピをご紹介しつつ、親子で楽しむコツやアレンジアイデアについてもお届けします。

秋の旬フルーツを楽しもう
秋に美味しい代表的なフルーツ
秋は「実りの季節」と言われるほど、果物が豊富に揃います。代表的なものは以下の通りです。
- りんご:甘みと酸味のバランスが良く、加熱すると香りが増します。ジャムやコンポートに最適。
- 梨:みずみずしさが魅力。ジャムにするとやさしい甘さが引き立ちます。
- ぶどう:赤・緑・黒など種類豊富。種なしタイプを選べば子どもでも扱いやすいです。
- 柿:そのまま食べるだけでなく、加熱するととろりとした甘さに。
- いちじく:プチプチとした食感が楽しめ、コンポートにすると高級感のある仕上がりに。
これらの果物はスーパーでも比較的手に入りやすく、価格も手頃。手作りジャムやコンポートの材料としてぴったりです。

フルーツ選びのポイント
美味しいジャムを作るには、素材選びも大切です。完熟したものを選ぶと甘みが強く、砂糖の量を減らせるので自然な味わいに仕上がります。
逆に少し硬めの果物はコンポート向き。形を残しながら煮ることで、美しい見た目を楽しめます。
親子で楽しむジャム作り

ジャム作りの基本ステップ
ジャム作りはシンプルで、基本は「果物+砂糖+レモン汁」。この3つを鍋に入れてコトコト煮るだけです。
- 果物を洗って切る(お子さんのお手伝いにぴったり)
- 鍋に果物と砂糖、レモン汁を入れて弱火にかける
- アクを取りながら煮詰める
- とろみがついたら火を止め、瓶に詰める
火を使う工程は大人が担当し、果物を混ぜたり、煮えていく様子を観察するのはお子さんにお願いすると安全で楽しく作業できます。
秋のフルーツ別おすすめジャム
- りんごジャム:シナモンを加えると香りが広がり、アップルパイのような味わいに。
- 梨ジャム:やさしい甘さが特徴。すりおろして煮ると、なめらかな仕上がりになります。
- ぶどうジャム:果皮ごと煮ると鮮やかな色に。ゼリーのような食感で子どもに人気です。
- いちじくジャム:プチプチ食感が楽しい一品。チーズと合わせると大人向けにも。

子どもと楽しむポイント
ジャム作りでは「変化」を楽しむことが大切です。
固かった果物が柔らかくなり、甘い香りが広がり、色が変化していく様子を一緒に観察すると、理科の実験のような学びの時間にもなります。
「どうしてとろとろになったんだろう?」と親子で話すのも楽しい時間です。
秋フルーツで作るコンポート
コンポートって何?
コンポートとは、果物を砂糖やはちみつ、ワインなどのシロップで煮たデザートのこと。
ジャムよりも果物の形がしっかり残るので、見た目も華やか。おもてなしスイーツやパーティーにもぴったりです。

おすすめコンポートレシピ
- 洋梨のコンポート:バニラビーンズやシナモンを入れて煮ると上品な仕上がりに。
- ぶどうのコンポート:皮付きのまま煮ると鮮やかな色に。冷やして食べるとゼリー感覚で楽しめます。
- りんごのコンポート:赤ワインで煮ると、大人向けのおしゃれなデザートに。子ども向けなら白ワインやぶどうジュースで代用可能。
親子で楽しむコツ
コンポートは煮る時間が短めで済むので、待ち時間にお子さんとテーブルセッティングをしたり、「あと何分かな?」と一緒に時計を見ながら待つのも楽しい時間です。
完成後は冷やしてデザートタイム。手作りの達成感を味わえます。

ジャムの基本レシピ(4人分・小瓶2〜3個分)
材料の目安
- お好みの秋フルーツ(りんご・梨・ぶどう・いちじくなど):約500g
- 砂糖:果物の重量の40〜50%(甘さ控えめなら40%、しっかり保存したいなら50%)
- レモン汁:大さじ1〜2
作り方の流れ
- 果物を洗い、皮や種を取り除いて一口大にカット。
- 鍋に果物・砂糖・レモン汁を入れて弱火にかける。
- アクを取りながら約20〜30分煮詰める。
- とろみがついたら熱いうちに煮沸消毒した瓶に入れて完成。
お子さんと作るときは、果物を切る→砂糖をまぶす→かき混ぜる までを一緒にやると安全で楽しめます。

コンポートの基本レシピ(4人分)
材料の目安
- 秋フルーツ(洋梨・りんご・ぶどう・柿など):約2〜3個(正味400〜500g)
- 水:200ml
- 砂糖:80〜100g(果物の甘さに応じて調整)
- レモン汁:大さじ1
- (お好みで)バニラビーンズ1/2本、シナモン1本、ワインやぶどうジュース100ml
作り方の流れ
- フルーツを洗い、皮をむいて半分または1/4にカット。
- 鍋に水・砂糖・レモン汁(+お好みでスパイスやワイン)を入れ、シロップを作る。
- 果物を加えて弱火で10〜15分ほど煮る。
- 粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして完成。
果物の形を残すため、強火でグツグツ煮すぎないのがコツ。お子さんには、盛り付けやトッピングをお願いすると楽しめます。

手作りジャム&コンポートのアレンジアイデア
朝ごはんに大活躍
- トーストに塗る
- ヨーグルトやグラノーラにトッピング
- パンケーキやワッフルに添えて華やかに

おやつ時間に
- クラッカー+クリームチーズ+フルーツジャム
- パフェやアイスクリームのトッピング
- スコーンと一緒にティータイム
保存とラッピングの楽しみ方
ジャムは煮沸消毒した瓶に入れて保存できます。
瓶にリボンを巻いたり、手書きのラベルを貼れば、ちょっとしたプレゼントにもぴったり。
お子さんにイラストを描いてもらえば、世界に一つだけのオリジナルジャムが完成します。

まとめ
秋の旬フルーツは、そのまま食べても美味しいですが、ジャムやコンポートにすると一層楽しみが広がります。
親子で一緒に作業をすることで、ただの「料理時間」が「思い出づくりの時間」に変わるのも魅力です。
ジャム作りでは果物の変化を観察したり、甘い香りに包まれたりと、五感をフルに使う体験ができます。
コンポートは見た目も華やかで、日常を少し特別にしてくれる一品。完成したものを朝食やおやつに取り入れれば、家族みんなの笑顔が広がります。
ぜひ今年の秋は、お気に入りの旬フルーツを使って、親子で手作りジャムやコンポートに挑戦してみてください。
台所から広がる甘い香りと、一緒に過ごす時間は、きっと心に残る宝物になりますよ。