年末が近づくと気になり始める「大掃除」。本当は家をスッキリさせたいのに、仕事に育児に追われる毎日で、「まとまった時間が取れない」「何から手をつけていいかわからない」と感じているワーママも多いのではないでしょうか。特に片づけが苦手だと、大掃除は“年に一度の苦行”のように思えてしまいます。
でも実は、大掃除は「片づけが得意な人向けのイベント」ではありません。大切なのは、完璧を目指さず、ワーママの生活リズムに合った方法を選ぶこと。本記事では、片づけが苦手でも無理なく続けられる、大掃除の考え方と具体的なテクニックをご紹介します。
大掃除がつらくなる理由は「一気にやろうとする」から
多くの人が大掃除で挫折する最大の原因は、「年末にまとめて全部やろう」としてしまうことです。仕事納め後の数日間で、キッチン、浴室、リビング、収納…すべてを完璧に仕上げるのは、体力的にも精神的にもかなりの負担です。
ワーママに必要なのは、「大掃除=特別な一日」という思い込みを手放すこと。大掃除は“分解”していい家事です。むしろ、分解しないと続きません。
テク①:大掃除は「イベント」ではなく「習慣」にする
おすすめなのは、「大掃除を12回に分ける」という考え方。つまり、毎月1か所だけ少し丁寧に掃除するのです。12月にすべてを詰め込むのではなく、「今月は換気扇だけ」「今月は洗面所収納だけ」と決めて取り組みます。
この方法なら、1回あたりにかかる時間は30分〜1時間程度。忙しいワーママでも「これならできそう」と感じやすく、心理的ハードルが一気に下がります。
テク②:「捨てる」より「減らす」意識を持つ
片づけが苦手な人ほど、「捨てなきゃ」と思うと手が止まりがちです。そこでおすすめなのが、「捨てる」ではなく「減らす」という発想。
たとえば、
- 使っていないものを一時的に別箱に移す
- 同じ用途のものを1つだけ残す
- 迷うものは“保留ボックス”へ入れる
これだけでも、空間はかなりスッキリします。「捨てる決断」は後回しでOK。大掃除は“判断力のトレーニング”ではありません。
テク③:1日15分の「ついで掃除」を仕込む
ワーママにとって、掃除のためのまとまった時間を確保するのは至難の業。だからこそ、「何かのついで」にやるのがコツです。
- お風呂の湯張り中に排水口掃除
- 電子レンジの温め待ち時間に庫内を拭く
- 子どもが宿題している横で引き出し1段だけ整理
「15分で終わる範囲」だけと決めることで、掃除への抵抗感が減り、結果的に続きやすくなります。
テク④:掃除道具は“取りに行かない”
片づけや掃除が続かない理由のひとつに、「道具を出すのが面倒」という問題があります。そこでおすすめなのが、掃除道具の分散配置です。
- 洗面所に使い捨てクロス
- トイレに小さなブラシ
- リビングにハンディモップ
「気づいたときに、すぐ使える」状態を作ることで、掃除は格段にラクになります。収納の美しさより、使いやすさを優先しましょう。
テク⑤:家族を“戦力”にする仕組みづくり
大掃除をママひとりで抱え込む必要はありません。子どもには年齢に応じた役割を、パートナーには「判断が必要な作業」をお願いしましょう。
ポイントは、「手伝ってもらう」ではなく「役割として任せる」こと。
たとえば、
- 子ども:おもちゃを箱に入れる、雑巾がけ
- パートナー:不用品の判断、力仕事
ママは全体の流れを見る“指揮役”に回ると、負担が軽くなります。
テク⑥:100点を目指さず、60点でOKにする
大掃除で一番大切なのは、「やり切ること」ではなく「続けられること」。多少ホコリが残っていても、収納が完璧でなくても問題ありません。
「去年より少しラクになった」「1か所でも整った」
それだけで十分な成果です。60点の大掃除を毎年続けた方が、100点を1回だけやるより、暮らしは確実に整っていきます。
おわりに:大掃除は“自分を責めない家事”
片づけが苦手なのは、性格の問題ではありません。忙しい生活の中で、優先順位が違うだけです。ワーママの毎日は、それだけで十分がんばっています。
大掃除は、自分を追い込むためのものではなく、来年を少しラクにするための準備。できる方法で、できる分だけ取り組めば大丈夫です。今年の大掃除は、「がんばらない工夫」をぜひ取り入れてみてください。


