はじめに
夏の暑さが落ち着き、心地よい風が吹く秋。
でもこの時期、「なんだか気分が沈む」「朝起きるのがつらい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
季節の変わり目に起こるこうした心の不調は、“秋うつ”と呼ばれることもあります。
その一因となるのが、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの減少。
実は、セロトニンは「体を温める習慣=温活」と深く関係しています。
この記事では、忙しい毎日の中でも無理なくできる、温活でセロトニンを増やす習慣をご紹介します。
体をぽかぽかにして、心までほっとする秋を過ごしましょう。
秋に気分が落ち込みやすいのはなぜ?
日照時間が減ることでセロトニンが減少
秋になると日が短くなり、自然光を浴びる時間が減少します。
セロトニンは、太陽の光を浴びることで脳内で活性化される物質。
日照時間が短くなると、どうしても分泌が少なくなり、気分の落ち込みにつながってしまうのです。
「朝からなんだかやる気が出ない」「眠っても疲れが取れない」など、心身の不調を感じるときは、セロトニン不足のサインかもしれません。
冷えもセロトニンバランスを乱す
気温が下がることで体が冷え、血流が滞るのも秋の特徴です。
実はこの「冷え」も、セロトニンの働きを鈍らせる原因になります。
脳へ十分な酸素や栄養が届かなくなると、神経伝達がスムーズに行われず、心のバランスも乱れやすくなるのです。
つまり、秋のメンタルケアには「冷え対策=温活」がとても大切なのです。
温活がセロトニンを増やす理由
「心地よい温かさ」が自律神経を整える
温活の基本は、体をじんわり温めて血流を良くすること。
この“心地よい温かさ”が、自律神経を整え、ストレスをやわらげてくれます。
自律神経が整うと、脳の神経伝達物質であるセロトニンの分泌も安定。
「なんとなく元気が出ない」ときに、温かいお茶を飲んだり、湯船に浸かってほっとするのは理にかなっているのです。
腸を温めるとセロトニンが増える!
セロトニンの約90%は、実は腸で作られているといわれています。
そのため、腸が冷えるとセロトニンの生成がスムーズに行われず、気分のムラや疲労感を感じやすくなります。
「腸を温める」=「心を温める」といっても過言ではありません。
体を内側から温める習慣を取り入れることで、セロトニンの働きをサポートできるのです。
今日からできる!セロトニンを増やす温活習慣
朝の光と温かい飲み物でスタート
1日の始まりにおすすめなのが、**朝日を浴びながら温かい飲み物を飲む**こと。
朝の光を浴びることでセロトニンが活性化し、体温を上げることで代謝もアップします。
特におすすめなのは、白湯やショウガ入りのハーブティー。
寝起きの体をやさしく温め、腸の働きを促してくれます。
朝5〜10分のベランダ時間でもOK。
光と温かさのダブル効果で、気分を穏やかに整えてくれます。
「首・お腹・足首」を温めるのがポイント
冷えやすい三つのポイント「首・お腹・足首」を意識的に温めましょう。
これらの部位には太い血管が通っており、温めることで全身の血流が良くなります。
・首もと: スカーフやタートルネックで冷気を防ぐ
・お腹: 腹巻きやカイロを使う
・足首: ソックスやレッグウォーマーで保温
ちょっとした工夫で、体の芯からぽかぽかに。
血流が良くなることで、脳のセロトニンも活発に働くようになります。
ぬるめのお風呂でリラックス時間を
40℃前後のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かると、副交感神経が優位になり、心が穏やかに整います。
お気に入りのアロマオイルを数滴垂らして、香りでリラックスするのもおすすめです。
特にラベンダーやベルガモットなど、リラックス系の香りはセロトニンの分泌をサポートしてくれるといわれています。
忙しい日でも、湯船にゆったり浸かる時間を“心のメンテナンス”と思って大切にしたいですね。
食べて整える!セロトニンを育てる温活ごはん
セロトニンの材料「トリプトファン」を含む食品
セロトニンのもとになるのは、アミノ酸の一種「トリプトファン」。
体内では作られないため、食事からしっかり摂ることが大切です。
トリプトファンを多く含むのは、以下のような食品です。
- 納豆、豆腐などの大豆製品
- バナナ
- チーズ、ヨーグルト
- 鮭、まぐろなどの魚類
- たまご
これらをバランスよく摂ることで、セロトニンの生成がスムーズになります。
温かいスープや鍋で“体も心も温まる”
冷たいサラダよりも、温野菜やスープを取り入れるのが温活ごはんのコツ。
根菜やきのこを使った具だくさんの味噌汁、豆乳鍋などは栄養バランスも抜群です。
また、ショウガやニンニク、シナモンなどの体を温めるスパイスを上手に使うのもおすすめ。
香りを楽しみながら、内側からぽかぽかにしてくれます。
動いてセロトニンを活性化!やさしい運動習慣
リズム運動がセロトニンを刺激
ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチ、ヨガなどのリズムのある動きは、セロトニンの活性化に効果的です。
特に朝や昼の時間帯に行うと、太陽の光と運動のW効果で気分がすっきりします。
家の中でできるストレッチや、好きな音楽に合わせた軽いダンスも◎。
「心地よい」と感じる範囲で続けることが大切です。
呼吸を整える「ながら温活」
深呼吸を意識するだけでも、体の内側からじんわり温まります。
家事の合間や通勤中など、“ながら”でできる呼吸法を習慣にしてみましょう。
・鼻からゆっくり吸って
・口から長く吐く
この呼吸を繰り返すことで、血流が促され、心もリラックス。
セロトニンの分泌を助けてくれます。
まとめ
秋の気温や日照時間の変化は、心と体に意外なほど影響を与えます。
でも、「体を温める」というシンプルな習慣が、心を前向きに整えるサポートになるのです。
朝の光を浴びる、温かいスープを味わう、湯船で深呼吸をする…。
どれも特別なことではありませんが、続けるうちに少しずつ「なんだか心が軽くなった」と感じられるはずです。
この秋は、温活を通してセロトニンを味方に。
体も心もぽかぽかに満たされた、やさしい季節を過ごしましょう。


